オタ芸とは、アイドルのコンサートで、熱狂的なファンが、そろって、かけ声をかけたり、曲にあわせてジャンプしたり、ライトを振り回したりする事を言います。この「オタ芸」のせいで演奏が聞こえなかったと、観客の男性が主催者側に約100万円の損害賠償と、ライブのやり直しを求めた訴訟がありました。判決は、1審を支持し、男性の控訴を棄却しました。裁判長は「音楽鑑賞の仕方は様々で、観客のかけ声は雰囲気を高揚させる側面もある」と指摘しました。

そもそもオタ芸(ヲタ芸)とは

アイドルファンがライブを見る際、手拍子や声援だけでは飽き足らず、個性的な「パフォーマンス」を行うことで、会場を盛り上げる行為自体を「オタ芸」と呼ぶそうです。

少人数で動きを揃えて行う事が多く、その行為自体を「打つ」と表現します。また「オタ芸」を行うファンのことを、「オタ芸師」とも呼ぶそうです。

最近のオタ芸は、サイリウム(LEDライト)を使用して「打つ」作品が多くなっており、芸のパフォーマンスが美しく豊になってきており、アート作品としても通用するものが多数でてきています。沢山の作品がYoutubeにアップロードされており、それらを見ることができます。

オタ芸を、ヲタ芸と表現することもありますが、人によってとらえ方はちがいますが、サイリウム有りで過激な振り付けをするのを、ヲタ芸(別名サイリウムダンス)、サイリウム無しで主にアイドルのコンサートでプレイする(通称秋葉打ち)のをオタ芸というと言われているようです。その他に地下芸といった声優ライブなどで打たれてる、サイリウムを使わず体ひとつで表現するものもあるとか。

今回の裁判はなにが問題だったの

今回訴えられてたのは、ライブを主催したラジオ関西(神戸市)と神戸出身のご当地アイドル「コウベリーズ」のメンバー(当時)などです。

訴えた男性は、2014年1月、神戸市内でライブを鑑賞中、一部のファンが曲にあわせて「オー、オー、オー」などと大声を出したため演奏が聞こえず、主催者は退場させるなどの対応を怠ったと主張しました。

これに対し、裁判長は、「オタ芸を迷惑と非難する意見がある半面、雰囲気を高揚させる側面もある」と指摘。ライブはかけ声を禁じておらず、主催者側にファンを退場させる義務はなかったと結論づけ、控訴棄却を言い渡しました。

これで、訴えた男性がさらに控訴しない限り、オタ芸は裁判所お墨付きになりましたが、楽曲をじっくり聞きたいファンがいるのも事実。全ての曲でオタ芸をするのではなく、曲によっては、オタ芸を控えるなど、配慮が必要ですよね。

どんどんレベルの上がるオタ芸の世界

サイリウムといってますが、いまつかわれてるのは、LEDライトですよね。それも、スイッチ一つで色がかわるような仕掛けになっています。これの発明で、とくにサイリウムを使うオタ芸の表現の幅は大きく広がりました。息子の部屋にもLEDライトがありましたので、どこかでやってるんでしょう(笑)

一方、コンサートで声をつかってオタ芸をする派閥も、どんどんレベルがあがっています。アイドルに声を揃えてかけるのは、80年代ぐらいからありましたが、現在のオタ芸は、楽曲にあわせて、合いの手をいれるように声をかけるのが大きなポイントですかね。

曲をじっくり聞きたい人、アイドルと一体に成りたい人、見に来てる人の思いは人それぞれです。お互いが楽しめるコンサートに成ればいいですね。その為にはなにがしかの自主ルールが必要なのかも知れません。