漫画版「おおかみこどもの雨と雪」の作家である、優さんが、7月1日に、急性心不全で急逝していることが、本人のツイッターにご主人が投稿したことで分かりました。作品は、アニメ映画化され、テレビでも何度か放映されたので、見た人も多いでしょう。ここではアニメのストーリーを簡単に押さえ、急性心不全についても調べてみましょう。

アニメ版「おおかみこどもの雨と雪」のストーリー

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おおかみおとこと結婚した花は、娘の「雪」と、息子の「雨」の2人の子供をもうける、しかしその子供は、おおかみに変身できる「おおかみこども」であった。旦那は事故でなくなってしまい、都会では迷惑をかけ暮らしづらく、人里はなれた古民家に移住する。

「雪」のほうが、活発でおおかみに近い性格だったが、学校にかようようになって、人間として暮らしていくことを選択する。一方、「雨」は学校になじめず、「先生」とよばれる長老のおおかみに、山で生きていくすべを学び始める。

人間として生きていくことを選んだ「雪」と、おおかみとして生きていくことを選んだ「雨」はお互いの生き方を否定しあい、大げんかになるが、その結果、姉の雪が、弟の雨に負けてしまう。

山に戻ろうとする雨を、花は呼び止めるが、雨がその声を静止するように山奥に消える。山の崖から大きく力強い雄叫びに心をうたれ、不安を払拭し、雨に向けて「しっかり生きてこい」と励ます。

雪と雨は最後まで和解できなかったが、雪は中学校にあがり寮にはいり、人間として学校生活を送っていた。雨はおおかみとして山を支配していた。

子供が自立し、一人になった花は、山奥の家でひっそりと暮らしていた。どこからか、雨であろうおおかみのりっぱな遠吠えが聞こえてきた。それに耳をすませながら、花は柔らかく微笑むのだった。

アニメ版は、細田守監督による「サマーウォーズ」のスタッフが制作し、緻密な映像と豊かな色使いがストーリーをよりよく見せます。オススメです。

急性心不全とはどんな病気か

心不全とは、心臓が、全身に血液を送るポンプの力が低下した状態の総称で、あらゆる臓器を含めた全身に必要量の血液を送ることができなかったり、肺や全身に血液が滞るうっ血状態になったりする病態です。心不全には、「慢性」と「急性」がありますが、心臓のポンプ機能が「急激に低下」することによって、血液循環が維持できない状態と、うっ血状態が短期間のうちに起こることを急性心不全と呼んでいます。

急性心不全の原因として、最も多いのは、急性心筋梗塞などです。心臓を動かすための心筋に、必要な酸素や栄養素と送る冠動脈が詰まって、心筋の一部が酸素不足に陥ってしまうことに起因します。

その他、高血圧、心臓弁膜症、心筋症や心筋炎なども原因になりますし、慢性心不全の原因となる、先天性心疾患、甲状腺機能亢進症、不整脈、糖尿病を罹患している患者さんが、ストレスを受けたり、暴飲暴食や、風邪や感染症、貧血や妊娠などをきっかけに急性心不全を起こすこともあります。

急性心不全の症状で代表的なのは、代表的なのは激しい呼吸困難です。多くの場合、血圧は低下します。

優さんも、5月から入院していたとのことなので、何か持病があり、それが間接的な原因となって急性心不全になったのかもしれませんね。

急性心不全の治療法

急性心不全が生じたときは、いわゆる救命救急措置、また万一にそなえて蘇生措置も取れる体制をとります。呼吸の確保と、うっ血の改善を早急に行う必要があります。酸素療法と、うっ血を改善する投薬によって、改善をはかります。

血圧(収縮期血圧)が100mHg以下と低い場合には、昇圧薬を用います。うっ血の改善には、利尿剤を使って、体内水分貯留を防ぎます。

これらの措置により急性期の発作的症状が収まった後は、心不全の原因となった病状を特定するために精密検査し、その後の治療方針を決めていきます。

普段から体のサインには気をつけよう

暴飲暴食はもちろんのこと、高血圧、糖尿病、といった生活習慣病は、心不全や、脳卒中の原因になります。普段から健康をチェックして、急性の病にかからないように気をつけましょう。

最後に、優さんのご冥福をお祈りいたします。素晴らしい作品をありがとう。